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Newタイガーパイル工法

Newタイガーパイル工法とは

タイガーパイル工法の芯材を改良した高性能ハイブリッドコラムです。
施工実績12万件を超えた、安心実績のタイガーパイル工法の進化版です。

高性能ハイブリッドコラム

Newタイガーパイル工法表紙

概要

Newタイガーパイル工法は、小規模建築物の地盤改良に多用されているソイルセメントコラム工法(深層混合処理工法)の芯部に縦溝鋼管を挿入したタイガーパイル工法の改良版です。施工実績が12万件を超えたタイガーパイル工法の経済性を増すため、芯材を改良した工法です。
ソイルセメントコラム工法については、既に性能証明を取得しているアイ・マーク工法(GBRC性能証明 第16-14号 改1)を適用し、設計・施工管理を行うことで、良好な品質を確保しています。
改良を加えた芯材である縦溝鋼管の製造は、次の①②の工程を経て行います。①電縫管製造装置において、鋼製コイルから金属板を成形し、上下に凹凸を配した溝付けロールにて金属板の長手方向に断続する細長い凹溝を付加する。②その後、湾曲成形を行って両エッジを突き合
わせ溶接して円管として、最終段階で深傷、切断工程を経て断続的な縦溝を有する縦溝鋼管とする。これにより強度を維持したうえで、鋼管厚を薄くすることで、経済性の向上を図っています。


特長

1.縦溝鋼管を芯材に利用

縦溝鋼管を芯材に利用

Newタイガーパイル工法は、縦溝鋼管の高い材料強度と大きな付着力によりソイルセメントコラム工法の短所であるコラム強度の低さ、及びコラム強度のバラツキを補うことで、ソイルセメントコラム工法の持つ、高い潜在能力を引き出し、高い支持力性能を発揮します。また、ソイルセメントコラムは、曲げ、せん断、引張り荷重に対し耐力が小さく、水平力が発生するような構造物および地盤状況では設計が困難であるが、Newタイガーパイル工法は、曲げ、せん断、引張り荷重に対し強度が安定している縦溝鋼管を芯材として用いるため、高支持力化と共にせん断体力及び曲げ耐力を大幅に増大させることで、水平力にも対応出来る構造にしています。
さらに、高支持力化の実現は、改良本数の低減と改良径の縮小化をもたし、固化材使用量及び発生残土量を大幅に低減することから、環境負荷に対して優れた性能を発揮します。

2.摩擦力が大きく、コラム強度が高い

 

3.水平力にも強く、安定した品質

 

4.残土量が少なく、環境に優しい

 


適用

適用地盤

  • 先端地盤:粘性土地盤、砂質土地盤(礫質土地盤を含む)
  • 周面摩擦考慮地盤:粘性土地盤、砂質土地盤(礫質土地盤を含む)
適用建築物
地上階 3階以下
建物高さ 13m以下
延べ面積 1500㎡以下

※平屋に限り3000㎡以下

適用工作物
種類 内容
擁壁 擁壁高 5.0m 以下
その他※ 設計設置圧130kN/㎡以下

※ボックスカルバート等

仕様

縦溝鋼管

縦溝鋼管
Newタイガーパイル組み合わせ一覧
ソイルセメントコラム径D(mm) 400 500 600

縦溝鋼管径d(mm)

48.6
76.3
鋼管長さ
最大鋼管長 8.0m
最小鋼管長 0.5m
ソイルセメントコラムの仕様
コラム径D 400mm、500mm、600mm
先端余長C 400~2000mm
設計基準強度Fc 砂質土:600~1200kN/㎡
粘性土:600~1000kN/㎡
ローム:600~800kN/㎡
固化材配合量 砂質土・粘性土:300kg/㎡以上
ローム:350kg/㎡以上
W/C 標準 70%
※試掘時の土質の状況により50%~120%の範囲内で設定する
変動係数
Vquf
砂質土:0.20
粘性土・ローム:0.25
羽根切回数 砂質土:500回/m 以上
粘性土・ローム:600回/m 以上
先端練返し 1.5D以上
縦溝鋼管の仕様
外径d (㎜) 48.6±1.0% 76.3±1.0%
材料名 TM-STK500 TM-STK500
母材の規格 STK500 STK500
厚さt (㎜) 1.8±0.3 1.8±0.3
単位質量 W (kg/m) 2.08±0.33 3.31±0.54
断面積 (㎟) 264.6±42 421.3±68
縦溝本数 (本/周) 4(2本×2段) 6(3本×2段)
溝幅 (㎜) 16 ± 2.0 23±10%
溝深さ (㎜) 2.5 ± 0.4 3.5 ± 0.5
溝長さ (㎜) 45.0 ± 1.0 55.0 ± 1.0
溝間隔 (㎜) 77.0 ± 1.0 65.0 ± 1.0
引張強さ(N/㎟) ≧500
降伏耐力(N/㎟) ≧320 ≧300
伸び(%) ≧18 ≧20
へん平性(- ) (7/8)d

※縦溝鋼管は丸一鋼管(株)との共同開発品。


施工装置・施工設備

撹拌装置 ①撹拌翼 ②掘削翼 ③共回り防止翼

(1)高回転型(標準タイプ)
(1)高回転型(標準タイプ)

共回り防止翼が撹拌翼を囲むように1箇所配置された標準タイプの撹拌装置。撹拌翼の間隔が広く回転しやすい形状のため、あらゆる地盤に適
している。

(2)高撹拌型
(2)高撹拌型

共回り防止翼が連結して多層に入っており、撹拌性能を高めた撹拌装置。
粘性の強い地盤や有機質土地盤などのように、充分な撹拌が必要な土質に適している。また、高速回転が出来ない高トルク型の施工機にも適している。

(3)高掘削回転型
(3)高掘削回転型

高回転型の特徴を生かしながら、掘進性能を向上させた撹拌装置。
硬質地盤や地中障害物が混入している地盤についても適している。

(4)高掘削撹拌型
(4)高掘削撹拌型

高撹拌型の特徴を生かしながら、掘進性能を向上させた撹拌装置。
粘性 の強い地盤と硬質地盤が混在している地盤に適している。

施工設備概要
施工設備概要

施工手順

施工手順1
施工手順2
  1. 芯位置セット及びロッドの鉛直確認を行う。
  2. セメントミルクを吐出しながら正回転にて掘進・混合撹拌する。併行して鉛直度確認を行う。
  3. 深度計により、設計深度まで到達したことを確認する。併行して鉛直度確認を行う。
  4. 1.5D分の先端練返しを行う。(引上時は逆回転とする)併行して鉛直度確認を行う。
  5. 逆回転にて引き上げ工程に入る。
  6. 羽根切り回数をチェックしながら引き上げていく。
  7. ソイルセメントコラムの打設完了。
  1. 縦溝鋼管の鉛直度確認を行い、ソイルコラムの中心に建て込む。
  2. 鋼管を継ぐ場合は、下管を適切な位置で止め、上管を建て込む。併行して鉛直度確認を行う。
  3. 下管と上管との継手は、スリーブによる継手又は溶接接手にて行う。
  4. 鋼管天端を所定の深度まで挿入する。併行して鉛直度確認を行う。
  5. 鋼管天端レベルに合わせてコラム頭部を修正する。
W/C例
標準 含水比が大きい(水位が高い) 含水比が小さい(水位が低い) 粘性が強い
砂質土 粘性土 砂質土 粘性土 粘性土
70% 50~70% 55~70% 70~110% 70~120% 60~100%

許容鉛直支持力式

許容鉛直支持力Raは、式Ⅰ.1.1に示す通り、Ra’とRa1の大小を比較し小さい方をRaとすることにより求める。

Ra = min(Ra’, Ra1)

・・・・式Ⅰ.1.1

ここで、Ra’は式Ⅰ.1.2に示す通り、地盤から決まるNewタイガーパイルの極限支持力Ru’を安全率で除した値である。またRa1は、、Newタイガーパイルの圧縮耐力であり、鋼管径、コラム径、鋼管長及びソイルセメントコラムの設計基準強度Fcに応じて、表1より抽出し求める。
Ra’の算定方法を以下に示す。

Ra’ = Ru’/ Fs
  = (αN’pAp+ βγN’fLψ)/ Fs

・・・・式Ⅰ.1.2

Ra’:地盤から決まるNewタイガーパイルの許容支持力
Ru’:地盤から決まるNewタイガーパイルの極限支持力
Fs:安全率 長期 (常時)=3.0、短期(中地震時)=1.5
α:先端支持力係数=140
βγ:周面摩擦力係数=14
N’p:先端地盤の平均N’値
Ap:ソイルセメントコラムの断面積(㎡)
  Ap=πD2/4
    D :ソイルセメントコラムの直径(m)
N’f:周面地盤の平均N’値
L:周面地盤の長さ(m)
ψ:改良体の周長(m)
ただし、余長が400mmを超える時のαN’p≦Fc
Fc :ソイルセメントコラムの設計基準強度(kN/㎡)

先端地盤の平均N’ 値N’pは、右図に示す先端平均N’ 値を算定する範囲(鋼管先端から800㎜以内)の平均N’ 値とする。ただし、周面地盤の平均N’ 値を算定する範囲の最深部から「先端支持地盤の層厚」の範囲にある個々のN’ 値の最小値が、先に求めたN’pよりも小さい場合はその最小値をN’pとする。ここに、「先端支持地盤の層厚」とは、先端支持力を確実に確保するために応力の影響範囲を考慮する層厚で、「余長の先端深度から3Dの範囲」と定義する。

 

許容鉛直支持力式解説図

なおN’値は、土質に応じて式I .1.3、式I.1.4より算出する。

砂質土地盤の場合

N’=2WSW+0.067NSW

・・・・・式Ⅰ.1.3

粘性土地盤の場合

N’= 3WSW+0.05NSW

・・・・・式Ⅰ.1.4

Wsw:SWSにおける荷重(kN)
Nsw:SWSにおける貫入1m当たりの半回転数(回)

また、先端地盤及び周面地盤の平均N値の適用範囲は表2のとおりとする。

表2 先端地盤及び周面地盤の平均N’値の適用範囲

鋼管長(L) 先端地盤 周面地盤
個々のN’値 平均N’値 個々のN’値 平均N’値
0.5L≦L<2.0m 0.8≦N’≦19.0 3.0≦N’s≦14.0 0.15≦N’≦18 0.6≦N’f≦7.5
2.0≦L<6.0m 0.15≦N’≦19.0 1.5≦N’s≦14.0
6.0m≦L≦8.0m 0.3≦N’s≦14.0

許容支持力Raが負担荷重Pを上回っているか確認する。下回っている場合は、F2に戻り再検討する。

Ra≧P

Ra:許容鉛直支持力(kN)
P:負担荷重(kN)

水平支持力の検討

Newタイガーパイルにおける水平支持力の検討は、「2018年度 版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針ーセメ ント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法一」[(一財)日本建築センター、(一財)ベターリビング発行]に基づいて行 い、Newタイガーパイル工法の水平支持力の検討とする。

水平支持力の検討 写真1
水平支持力の検討 写真2

設計フロー

設計フロー

※「2018年度版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針ーセメント系固化材を用いた深層・浅層混合処理工法-」[(一財)日本建築センター、(一財)ベタ ーリビング発行]に基づいて検討を行う


ソイルセメントコラムとの支持力比較

ソイル撹拌性能が良く、ばらつきが少ないこともあり、実杭載荷試験結果から得られた支持力算出用の係数値が大きくなっています。ソイルセメントコラム工法の支持力より、条件によって最小でも1.8倍、最大で は4.2倍の高支持力となります。

ソイルセメントコラム比較倍率 砂質土 粘性土
先端支持力 1.8倍 3.7倍
周面摩擦力 4.2倍 2.2倍

ソイルセメントコラム工法の支持力式は、日本建築センター発行の建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針。Newタイガーパイル工法は、建築技術性能証明評価内容による。

支持力比較(先端支持)
支持力比較 (先端支持)
支持力比較(周面摩擦)
支持力比較 (周面摩擦)

高支持力のメカニズム 材料強度の有効利用

材料強度
材料強度
支持力特性
支持力特性

Newタイガーパイルの性能を発揮した設計例

Newタイガーパイルは、ソイルセメントコラム・縦溝鋼管のメリットを最大限に活かすことにより、一般のソイルセメントコラム工法と比較すると、材料強度、摩擦力、先端支持力が大きく発揮され、高い支持力が得られます。
右記の同一地盤条件における設計例では、ソイルセメントコラム工法と比べて改良長を大幅に短く計画出来ます。これにより、改良面積・固化材料・発生残土量等を少なく抑えることで、経済性及び施工性において有利な設計を可能にします。

調査結果

コラム配置図

コラム配置図

改良土量の比較

改良土量の比較

固化材料の比較

固化材料の比較

発生残土量の比較

発生残土量の比較

Newタイガーパイル工法の支持力

許容支持力① φ400㎜-φ48.6㎜-t1.8㎜-Fc800kN/㎡の場合
※右のQRコードより表のPDFデータをダウンロードいただけます。
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許容支持力①QRコード
許容支持力①

 


許容支持力② φ500㎜-φ48.6㎜-t1.8㎜-Fc800kN/㎡の場合
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許容支持力②QRコード
許容支持力②

許容支持力③ φ400㎜-φ76.3㎜-t1.8㎜-Fc800kN/㎡の場合
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許容支持力③QRコード
許容支持力③

 


許容支持力④ φ600㎜-φ76.3㎜-t1.8㎜-Fc800kN/㎡の場合
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許容支持力④QRコード
許容支持力④

コラム頭部処理例

コラム頭部処理例図1
コラム頭部処理例図2

 

施工機械例

機械分類 Type-I Type-Ⅱ Type-Ⅲ Type-Ⅳ
基本機種 TRS-100シリーズ、 TRS-91
(トラバース)
GT-1500(東亜利根ボーリング)
DHJ-12(日本車輌製造)
TRS-55シリーズ(トラバース)
GI-130C, GI-80C(YBM)
TRE-55(トラバース)
GI-50C,GI-50CⅡ,GI-50CⅢ(YBM)
GT-1000T3,GT2-1000
(東亜利根ボーリング)
DHJ-08(日本車輌製造)
GT-750T(東亜利根ボーリング)
SK30SR(神鋼コベルコ建機)
S-3D(シロタ)
DHJ-06(日本車輌製造)
GI-30C-3(YBM)
SK30SR(神鋼コベルコ建機)
S-3D(シロタ)
DHJ-06(日本車輌製造)
トルク値 15~86kN・m 7~32kN・m 5~12kN・m 5~8kN・m