全自動SWS機 Travers Weight 1000
1. SWS試験機の時代が変わる
- 信頼性の向上(自動電子記録)
- 測定詳細化(詳細自沈状況記録)
- 現地見える化(計測記録現地表示)
- JIS A 1221:2020に準拠
- 省力化、小スペース化
- キャリブレーション簡素化
- 報告の迅速化(記録の電子転送)
全自動SWS機 初の第三者証明取得
手動式SWS試験機
- スクリューウェイト貫入試験としてJIS規格
半自動式SWS試験機
- おもりの乗せ降ろしをリフター化
- 回転貫入をモーター化
全自動式SWS試験機
- 自沈荷重は計測式を採用
- 自動記録化(荷重・回転・深度)
- 計測結果を現地デジタル表示
2. T-W1000の特徴
1. 信頼性の向上(全自動電子記録)
荷重(Wsw)、半回転数(Na)及び貫入深度の全てを自動計測するため、正確且つ詳細に記録することが可能であり、計測ミスや記載ミスのようなヒューマンエラーを防ぐことが出来ます。
2. 測定詳細化(詳細自沈状況記録)
手動型試験機や従来の半自動型試験機では、硬質層から軟弱層に移り変わる際に、急激な自沈が発生すると、Wswの評価が曖昧になり地盤を過大評価している可能性があります。本試験機は1cm毎にWswを連続的に測定し、また荷重は10N≒1kg単位で計測するため詳細な測定・記録が可能です。
3. 現地見える化(計測記録現地表示)
情報を常にモニタリングしながら調査を進められるため、地盤の変化を細かく確認しながら、調査が可能です。
4. JIS A 1221:2020に準拠
T-W1000は、改訂版JIS A 1221:2020に準拠しています。スクリューウェイト貫入試験のうち、全自動式の試験機となり、荷重は0N~1000Nまでの詳細な任意載荷荷重を計測でき、軟弱な地盤判定に貢献します。
5. 省力化、小スペース化
既存建物がある状態で試験を実施することが多く、限られたスペースにて調査することも要求されます。本試験機は取り回し易い大きさであり、重りの上げ下げをする作業も不要なため、狭小地においても安全に試験を実施することが可能です。
6. キャリブレーション簡素化
全自動型試験機で最も注意しなければならないのが、計測機器の動作確認です。本試験機は、回転装置とおもり0.5kN分の総量で1kNになるように製造されているため、回転装置を引き上げた際に、ロードセルが1kNを示すか確認することで、ロードセルの動作確認を行っていることになり、現場ごとの装置確認が可能です。
7. 報告の迅速化
T-W1000は、自動式の記録装置が装着され、その記録をワイヤレスLANでスマートフォンにデータ転送ができるため、スマホ側アプリでのデータ確認や、電子データの転送が可能であり、正確で迅速な報告が可能です。
3. 新発想の荷重詳細測定システムと計測項目
T-W1000は、スクリューポイントの貫入抵抗値(Wsw)をロードセル(荷重計)により無段階で計測することが可能なSWS試験機です。最大0.05秒毎にデータをサンプリングするため、急激な自沈が発生した際でも、1cm毎に10N単位の精度で地盤調査が可能です。また、おもりの載せ替え作業が不要であり、データの記録も自動化することで、労働災害やヒューマンエラーを未然に防止することができます。
・荷重Wswの制御(計測)概念図
Wsw (kN) |
設定Wsw (kN) |
0≦Wsw≦0.05 | 0.05 |
0.05<Wsw≦0.15 | 0.15 |
0.15<Wsw≦0.25 | 0.25 |
0.25<Wsw≦0.50 | 0.50 |
0.50<Wsw≦0.75 | 0.75 |
0.75<Wsw≦1.00 | 1.00 |
・Wswの設定
計測項目 | 計測機器 | 計測内容 |
貫入深度 (L) |
深度計 | 1mm単位の精度により貫入深度を計測し、貫入量1cm毎に記録する。 |
荷重 (Wsw) |
荷重計 | 1kg単位の精度により、貫入量1cm毎に荷重を記録する。 |
半回転数 (Na) |
回転計 | 1回転を36パルスの精度で計測するため、1パルス=10°となる。0°と180° 時に回転数をカウントし、記録する。 |
・計測内容
4. 詳細記録データと電子データ転送
荷重Wswは、貫入量1cm毎に無段階で計測・記録し、JIS荷重に変換します。ロッドの回転数は、回転角10°単位で計測・記録し、半回転数Na(180°毎)に変換します。
記録詳細データは、電子記録を行ない、ワイヤレスLANによりスマホに転送が可能であり、迅速な報告や改ざん防止が可能です。
5. 手動式SWS試験機との徹底比較と既存技術との対比
同一敷地内において、T-W1000によるSWS試験と詳細に行った手動式SWS試験について比較を行った結果、標本数および標準偏差は、概ね同等であることが確認されました。
n:標本数 σ:標準偏差 |
荷重(Wsw)ステップ | ||||
---|---|---|---|---|---|
150N ~ 250N |
250N ~ 500N |
500N ~ 750N |
750N ~ 1000N |
||
手動式 | n | - | 8 | 28 | 20 |
σ | - | 95 | 152 | 159 | |
T-W1000 | n | - | 9 | 33 | 14 |
σ | - | 97 | 106 | 122 |
・自沈判定荷重Wswの比較結果
既存技術との対比
項目 | 手動型調査機 | 半自動型調査機 | 従来型全自動調査機 | T-W1000(全自動型) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
深度の 計測精度 |
△ | 調査員の技量が大きく影響 | ○ | 調査員の技量が影響 | ◎ | 調査員の技量を問わない 調査機の精度による |
◎ | 調査員の技量を問わない 1mm単位で計測 |
回転数の 計測精度 |
△ | 調査員の技量が大きく影響 | 〇 | 調査員の技量が影響 | 〇 | 調査員の技量を問わない 調査機の精度による |
◎ | 調査員の技量を問わない 回転角10°単位で計測 |
自沈時の 荷重 |
〇 | 調査員の技量が大きく影響 | △ | 0.5kN未満が計れない 調査機有り |
〇 | 最小荷重を計測出来ない 調査機が多い |
◎ | 無段階で計測可能 |
自沈時荷重の 計測精度 |
△ | 急速自沈の場合 把握出来ない |
△ | 急速自沈の場合 把握出来ない |
◎ | 調査員の技量を問わない 調査機の精度による |
◎ | 調査員の技量を問わない 荷重1kg単位で計測 |
鉛直精度 | △ | 調査員の技量が大きく影響 | ◎ | 初期の設置が重要 | ◎ | 初期の設置が重要 | ◎ | 初期の設置が重要 |
貫入音の 把握 |
◎ | 音と感触で判断 | 〇 | 音で判断 | △ | 無人調査が可能なため 把握していない部分あり |
〇 | 音で判断 |
貫入速度の 把握 |
〇 | 調査員が判断 | 〇 | 調査員が判断 | △ | 無人調査が可能なため 把握していない部分あり |
〇 | 調査員が判断 |
データの 記録 |
△ | 調査員の技量が大きく影響 | 〇 | 調査員の技量が影響 | ◎ | 調査員の技量を問わない 調査機の精度による |
◎ | 調査員の技量を問わない 調査深度1cm毎に、回転角及び荷重を自動で記録 |
調査機の 検定 |
◎ | 検定の必要性無し | 〇 | 検定の必要性低い | △ | 検定が高額なため実施していない調査機多数 | ◎ | 現場毎に荷重計、深度計、回転計が正常に動作していることを確認してから調査が可能 |
6. T-W1000の各部名称と基本仕様
No. | 部品名称 | 機能 |
① | おもり昇降装置 | 電動モーターで、載荷用のおもりや回転装置を昇降する装置 |
② | 回転・昇降操作スイッチ | 回転・昇降操作の手動時操作スイッチ |
③ | 配電盤 | 100Vの電源を使用 |
④ | ロッドクランプ | ロッドと回転装置をハンマーチャッキ式でクランプする装置 |
⑤ | 回転装置 | 電動モーターでロッドを回転する装置、載荷重500Nとして利用 |
⑥ | 回転計測装置 | ロッドの半回転数を計測する装置 |
⑦ | 載荷重用おもり | 載荷重250N×2個 |
⑧ | 深度計測装置 | 貫入長を測定する装置 |
⑨ | 緊急停止ボタン | 安全対策用緊急停止ボタン |
⑩ | 自動測定装置 | 貫入長、載荷重、半回転数を自動記録する装置 |
⑪ | USB記録装置 | 自動記録装置で測定したデータをUSBで記録する装置 |
⑫ | 荷重計 | 載荷重を計測する装置 |
⑬ | ワイヤレスLAN装置 | 記録データを無線LANで外部出力する装置 |
基本仕様:2023年1月現在
試験装置 | スクリューウェイト貫入試験装置:JIS A 1221 :2020に準拠 全自動型回転層及び自沈層自動判別装置 |
試験荷重 | 0~1000N:許容誤差±2% |
荷重計測 | 引帳型ロードセル:2mv/v±0.25 |
回転計測 | 3線式近似センサー/応答周波数1000Hz |
回転速度 | 定格回転数:28rpm |
回転トルク | 定格トルク:133N 瞬時最大トルク:約330N |
ロッド引抜力 | 約2100N |
下降速度 | 運転スタート時降下速度:4.8m/min |
深度計測 | 磁気エンコーダ:精度±10㎛ |
CPUユニット | LD0.96ns/メモリ64MB/1500Kステップ |
データ出力 | ワイヤレスLAN/USBメモリ |
重量 | 124Kg/本体及び回転部分離型(本体:86Kg 回転部:38Kg) |
作動電源 | AC100V 定格電流:15A |
7. 公的機関による証明取得で地盤調査の未来が変わる
全自動SWS機 初の第三者証明取得