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SWS試験のはなし

SWS試験とは?

住宅建築で広く普及している地盤調査方法として、スクリューウエイト貫入試験(以降SWS試験と呼ぶ)があります。もともとは、スウェーデン式サウンディング試験と呼ばれていましたが、2020年のJIS改正により名称が変更されました。試験名称変更が最近であるため、各種基準などはまだスウェーデン式サウンディング試験として表示されていることもあります。

この試験は名前の通り、北欧のスウェーデンで用いられていた地盤調査方法を導入したものでした。従前より、一般建築物の地盤調査方法は標準貫入試験でありましたが、比較的小規模な住宅建設の経済的な事情から、簡易的な簡便な地盤調査方法として、1980年ごろから採用されました。以降、徐々に普及し現在では、住宅建設の地盤調査として標準的な調査方法になりました。

試験方法としては、直径19ミリの鋼棒の先端にねじ状(スクリュー状)の先端矢じり(スクリューポイント)を装着し、地中に貫入させ、その貫入状況を確認する試験です。貫入時には、鋼棒に荷重(5、15、25、50、75、100kg)と累進的に荷重(現在はニュートン単位で荷重表示)を加え、その途中段階でも貫入しない場合は、半回転を1回として回転を加えて貫入抵抗を調べていきます。鋼棒は順次継ぎ足して、深度10mほどを目安に調査します。調査本数は通常、計画建物の4隅と中央の1か所の合計5か所です。土の硬さ指標である「換算N値」を深度方向に連続して得られます。

しかし、簡易的な調査方法であるため、土質は推定になり、硬すぎる地盤の場合は、調査できないなどのデメリットもあります。また、SWS試験は静的な貫入試験であるため動的な標準貫入試験から得られる土の硬さ指標である「N値」とは相関性が課題になる場合もあります。

SWS試験イメージ
SWS試験イメージ
SWS試験地盤判断イメージ
SWS試験地盤判断イメージ
SWS試験関連 JIS A 1221 改正2020:スクリューウエイト貫入試験では、①手動式、➁半自動式、③全自動式の3種類の方法が記載されました。従前の方法は、①の手動式でしたが、SWS試験が普及するにつれて作業効率を向上するために、➁の半自動式により、回転や引き抜きをモーターなどの機械を利用した装置が現れ、③の自動記録装置を備えた機械が開発されてきました。
SWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)から判断する内容は、告示第1113号から、地盤の許容応力度と、基礎底部から下方2メートル以内の距離にある荷重1キロニュートン(≒100kg)以下で自沈(累進荷重段階の荷重のみで鋼棒が地盤に貫入する状態)する層が存在する場合もしくは、基礎の底部から下方2メートルを超え5メートル以内の距離にある地盤に500ニュートン(≒50kg)以下で自沈する層が存在する場合にあっては、建築物の自重による沈下その他の地盤の変形等を考慮して建築物又は建築物の部分に有害な損傷、変形及び沈下が生じないことを確かめなければならない。→圧密沈下等の検討

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