タイガーパイル工法
タイガーパイル工法とは
段付鋼管を芯材として用いたソイルセメントコラム工法です。
ソイルセメントコラム工法と小口径鋼管杭を合体した高性能ハイブリッド工法
ソイルセメントコラム工法(深層混合処理工法)の優れた支持力と、付着力特性を高めるため、段付き形状の鋼管を芯材として採用することにより鋼管のメリットを合わせて高性能を実現!品質のバラツキを低減します。
◎2008年3月、2009年5月、2010年12月、2011年8月追加申請により、適用範囲を拡大、更なる高性能を発揮。
タイガーパイル工法の特長と概要
6つの特長
1.摩擦力が大きく優れた支持力
タイガーパイル工法は、鋼管杭工法の安定した材料強度とソイルセメントコラム工法の大きな摩擦力を合成させることにより、ソイルセメントコラム工法の短所であるコラム強度のバラツキを鋼管が補い、鋼管杭工法の短所である小さな摩擦力をソイルセメントコラム工法が補うことで、各工法の短所を打ち消し、高い支持力を発揮することができます。
2.良好な品質を確保!
芯材に使用する鋼管は、一般的に使用されている冷間製造の鋼管ではなく、熱間製造の鋼管を使用しており、造管ラインにて段付の鋼管を製造し、付着力の増大を考慮した鋼管として利用するものです。
安全性の比較
ソイルセメントコラムは、杭頭部周辺に応力が集中するため、固化不良や土塊が有ると杭自体が崩壊してしまうのに対し、タイガーパイルは、 芯材効果により応力集中を防ぐと共に、 芯材全長で支えていることから一部分に固化不良が生じた場合でも影響を回避できます。
腐植土地盤における適用性
腐植土により固化不良が発生する地盤の場合、ソイルコラムは強度を保てないため設計出来ないのに対し、タイガーパイルは、 芯材の摩擦力(付着力)が大きいため、 芯材の材料強度(60~400kN)及び腐植土部分を除いた支持力の小さい方まで設計考慮することができます。
3.優れた環境性能
高支持力化に伴い、施工長の短縮が可能。製造時、CO2発生量の多い鉄やセメント系固化材の使用量を大幅に減少・施工時の発生残土量及び施工設備の排気ガスについても大幅に減少する事が出来、環境に配慮した工法です。
4.軟弱地盤でも計画可能
非常に軟弱な地盤での載荷試験を実施し、適用地盤の範囲を拡大することができたことで、あらゆる地盤に対して計画が可能になりました。
適用地盤範囲
先端地盤N’値 | 0.15以上 |
周辺地盤平均N’値 | 0.6以上 |
事例1(支持層が深い)
φ300-48.6:37kN/本
φ400-76.3:52kN/本
φ500-76.3:68kN/本
φ600-114.3:85kN/本
φ800-165.2:123kN/本
事例2(標準的な軟弱地盤)
φ300-48.6:49kN/本
φ400-76.3:70kN/本
φ500-76.3: 93kN/本
φ600-114.3:119kN/本
φ800-165.2:177kN/本
事例3(支持層が浅い)
φ300-48.6:27KN/本
φ400-76.3:46kN/本
φ500-76.3:60kN/本
φ600-114.3:79kN/本
φ800-165.2:124kN/本
事例4(腐植土が介在)
φ300-48.6:40kN/本
φ400-76.3:52kN/本
φ500-76.3:71kN/本
φ600-114.3:93kN/本
φ800-165.2:142kN/本
5.地震時に対する抵抗力の向上
ソイルセメントコラムは圧縮力には強い材料ですが、曲げ力、せん断力には非常にもろい材料なため、段付鋼管を入れることにより、地震時に発生する曲げ力やせん断力に対して大幅に性能が向上しました。
6.適用範囲の拡大に伴い実用性が大幅に向上
段付鋼管径5種、ソイルセメントコラム径6種となり、支持力性能が大幅に向上したため、幅広い建築物や工作物に対して適用可能となりました。
ソイルセメントコラム径D(㎜) | |||||||
300 | 400 | 500 | 600 | 700 | 800 | ||
段 付 鋼 管 径 d (㎜) |
48.6 | 〇 | 〇 | ||||
76.3 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
114.3 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
139.8 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
165.2 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
なぜソイルセメントコラム工法と同じ径でも高支持力なのか?
ソイルセメントコラムとの支持力比較
ソイル撹拌性能が良く、ばらつきが少ないこともあり、実杭載荷試験結果から得られた支持力算出用の係数値が大きくなっています。ソイルセメントコラム工法の支持力より、条件によって最小でも2倍、最大では4倍の高支持力となります。
ソイルセメントコラム比較倍率 | 砂質土 | 粘性土 |
先端支持力 | 2倍 | 4倍 |
周面摩擦力 | 4倍 | 2倍 |
ソイルセメントコラム工法の支持力式は、日本建築センター発行の建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針。タイガーパイル工法は、建築技術性能証明評価内容による。
支持力比較(先端支持)
支持力比較(周面摩擦)
高支持力のメカニズム 材料強度の有効利用
材料強度
支持力特性
タイガーパイル性能を発揮した設計例
タイガーパイルは、ソイルセメントコラム・芯材鋼管のメリットを最大限に活かすことにより、一般のソイルセメントコラム工法と比較すると、材料強度、摩擦力、先端支持力が大きく発揮され、高い支持力が得られます。
右記の設計例では、同一地盤条件においてソイルセメントコラム工法と比較すると改良長を大幅に短く計画出来ます。 それにより、改良面積・固化材料・発生残土量等が少なく抑えられ、経済性及び施工性において有利な設計が可能となります。
◎コラム配置図
◎改良土量の比較
◎固化材料の比較
◎発生残土量の比較
施工手順/仕様
施工手順
アイ・マーク工法で培った技術にてソイルセメントコラムを先行して築造。
次に段付鋼管を未固化状態のソイルセメントコラムの中へ挿入し、天端高さを合わせて終了。
- コラム芯セット及びロッドの鉛直確認を行う。
- セメントミルクを吐出しながら正回転にて掘進・混合撹拌する。
- 深度計により、設計深度まで到達したことを確認する。
- 1.5D分の先端練返しを行う。
(引上時は逆回転とする) - 逆回転にて引き上げ工程に入る。
- 羽根切り回数をチェックしながら引き上げていく。
- ソイルセメントコラムの打設完了。
- ソイルセメントコラムの中心に段付鋼管を建て込む。
- 継管がある場合は、下管を適切な位置で止め、上管を建て込む。
- 下管と上管との継ぎ手は、スリーブ継手、溶接継手にて行う。
- 鋼管の天端を所定の深度まで挿入する。
- 鋼管レベルに合わせてコラム頭部を修正する。
撹拌翼の仕様
タイプⅠ | タイプⅡ |
掘削翼 | |
2枚 | 2枚 |
撹拌翼 | |
12枚 | 8枚 |
特徴 | |
共回り防止翼が連結して多層に入っており、粘性の大きい土質や、有機分が混入した土質などのように、撹拌性能が大きく必要な土質に適している、高撹拌タイプの撹拌装置。 | 共回り防止翼が撹拌翼を囲むようにして1箇所配置され、撹拌翼の間隔も大きい形状をしており、砂、砂礫及び地中障害物の混入した土質のように回転力が大きく必要な場合の土質に適している、高回転タイプの撹拌装置。 |
ソイルセメントコラムの仕様
ソイルセメントコラムは、 当社が実績のあるアイ・マ ーク工法で培ってきた技術を盛り込んでいます。 装置や撹拌方法、管理基準に至るまで詳細な仕様を設定し、施工・品質管理を行なうことにより、良質なソイルセメントコラムを築造します。
ソイルセメントコラム径は最小でφ300を実現し、残土発生を抑えるとともに、 固化材使用量も低減しています。
※先端余長400㎜は支持力評価上の規定値であり、深基礎等による杭頭深度の差の調整、補強体先端以深の地盤の不陸対応・変形抑制等を目的とし、400㎜以上とする場合があります。
コラム径D | 300㎜、400㎜、500㎜、600㎜、700㎜、800㎜ | |
先端余長C | 400㎜ | |
設計基準強度Fc | 標準 600kN/㎡ | |
※配合試験を行う場合は、 600~1200kN/㎡の範囲内で 設定する。 |
||
固化材添加量 | 標準 350kg/㎡ | |
※配合試験を行う場合は、 試験内容による。 |
||
W/C | 標準 70% | |
※試掘時の土質の状況により 50%~120%の範囲内で 設定する。 |
||
変動係数Vquf | 粘性土 | 0.25 |
砂質土 | 0.20 | |
羽根切回数 | 粘性土 | 600回/m以上 |
砂質土 | 500回/m以上 | |
先端練返し | 1.5D以上 |
段付鋼管の仕様
鋼管は、新日本製鐵(株)が新しく開発した鋼管を使用。段付きになっているためソイルとの付着力特性が向上、工場ラインで生産のため安心度も確保しました。
段付鋼管の各種数値 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
48.6 | 76.3 | 114.3 | 114.3 | 114.3 | 139.8 | 165.2 | |||
規格名 | STK400-MD | SGP-MD | NSDP400 | ||||||
製造方法 | 鍛接鋼管 | 継目無鋼管 | |||||||
肉厚 t | ㎜ | 2.8 | 3.2 | 3.5 | 4.5 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | |
単位質量 W | kg/m | 3.16 | 5.77 | 9.56 | 12.19 | 16.03 | 19.80 | 23.56 | |
断面積(最大部) | ㎜2 | 402.88 | 734.88 | 1218.31 | 1552.26 | 2041.41 | 2522.07 | 3000.85 | |
溝の深さa | 帯 部 | ㎜ | 5±2 | 6±2 | 7±2 | 7±2 | 7±2 | 8.5±2 | 10.5±2 |
リブ部 | ㎜ | 3≧a≧0 | 5≧a≧0 | 7≧a≧0 | 5≧a≧0 | 7≧a≧0 | 7≧a≧0 | 7≧a≧0 | |
溝の間隔 b | ㎜ | 115±10 | 190±10 | 120±15 | 130±15 | 140±15 | 170±20 | 190±20 | |
リブの幅 | ㎜ | 6±5 | 8±5 | 15±10 | 15±10 | 15±10 | 40±15 | 50±20 | |
引張強さ ft | N/m2 | ≧400 | ≧290 | ≧290 | ≧290 | ≧400 | ≧400 | ≧400 | |
降伏耐力 | N/m2 | ≧235 | ≧190 | ≧190 | ≧190 | ≧235 | ≧235 | ≧235 | |
伸び | % | ≧24 | ≧24 | ≧24 | ≧24 | ≧24 | ≧24 | ≧24 | |
へん平性 | 2/3d | 2/3d | 2/3d | 2/3d | 2/3d | 2/3d | 2/3d |
段付鋼管はソイルコラムがアルカリ環境下であることや、かぶり厚さが15cm以上あること等により、腐食代は見込んでいません。
許容鉛直支持力の根拠
◎タイガーパイルの許容鉛直支持力
Rα=min(Rα1, Rα2)
〇圧縮耐力Rα1
Rα1=Rα1”+min(Rα1‘, Rα1”’*1)
*1 : (fu×L+Rpu)<Pyの場合にのみ検討を行う。
■タイガーパイルの段付鋼管の圧縮耐力
Rα1‘=1/Fs×Py×(1-α)
記号 Rα1’:段付鋼管の圧縮耐力(kN) Py:降伏圧縮耐力 Fs:安全率 長期(常時)=1.5 短期(中地震時)=1.0 α:継手低減率 継手は、スリーブ継手または溶接継手とし、 次式に示すように、継手一カ所あたり5%の 低減をする。 α=5×m×0.01 m:継手箇所数 |
■段付鋼管の付着力と先端支持力の組み合わせ耐力
段付鋼管の付着力と先端支持力の組み合わせ耐力Rα1”’の算定は次式による。
Rα1”’=1/Fs(τu×φ×L+Rpu)
記号 Fs:安全率 長期(常時)=3.0 短期(中地震時)=1.5 τu:段付鋼管の付着力度(kN/㎡) τu=(0.344qu+397)×α qu:ソイルセメントコラムの 一軸圧縮強さ(kN/㎡) qu=Fcと仮定 α:鋼管径と溝間隔の比 α=d/Lb d:段付鋼管径(㎜) Lb:溝の間隔 φ 48.6 t2.8-115㎜ φ 76.3 t3.2-190㎜ φ114.3 t3.5-120㎜ φ114.3 t4.5-130㎜ φ114.3 t6.0-140㎜ φ139.8 t6.0-170㎜ φ165.2 t6.0-190㎜ L:段付鋼管長 Rpu:段付鋼管の先端支持力(kN) Rpu=6×Cu×Ap Cu:ソイルセメントコラムの粘着力 Cu=qu/2 qu=Fcと仮定 |
■ソイルセメントコラムの圧縮耐力Rα1”
ソイルセメントコラムの長期圧縮耐力Rα1”の算定は次式による。
Rα1”=1/Fs×Fc×As
記号 Fc:設計基準強度(kN/㎡) Fs:安全率 長期(常時)=3.0 短期(中地震時)=1.5 As:ソイルセメントコラムの有効断面積(㎡) As=πD2/4 – πd2/4 D:ソイルセメントコラムの直径(m) d:段付鋼管の直径(m) |
〇許容鉛直支持力
Rα2=1/Fs ×αN’sAp+βγN’fLψ
α :先端支持力係数 βγ :周面摩擦力係数 N’s:先端地盤の平均N’値 Ap :改良体の断面積 N’f:周面地盤の平均N’値 L :周辺地盤の長さ(m) ψ :改良体の周長(m) |
先端支持力係数と周面摩擦力係数の関係
先端支持力係数 | α | 150 |
周面摩擦力係数 | βγ | 13.9 |
■先端地盤の種別
先端地盤の種別 | 先端平均N’値 | ➡ | 先端地盤の種別 | 先端平均N’値 |
a | 0.15≦N’<1.0 | a | 0.15≦N’<1.5 | |
b | 1.0≦N’<2.0 | b | 1.5≦N’<2.25 | |
c | 2.0≦N’<3.0 | c | 2.25≦N’<3.0 | |
d | 3.0≦N’<4.0 | d | 3.0≦N’<5.0 | |
e | 4.0≦N’<5.0 | e | 5.0≦N’<7.0 | |
f | 5.0≦N’<7.0 | f | 7.0≦N’<10 | |
g | 7.0≦N’ | g | 10≦N’ | |
改定2 | 改定3, 改定4 |
■周辺地盤の種別
周辺地盤の種別 | 周辺地盤のN’値 | ➡ | 周辺地盤の種別 | 周辺地盤のN’値 |
Ⅰ | 0.6≦N’<1.0 | a | 0.6≦N’<1.0 | |
Ⅱ | 1.0≦N’<2.0 | b | 1.0≦N’<2.0 | |
Ⅲ | 2.0≦N’<3.0 | c | 2.0≦N’<3.0 | |
Ⅳ | 3.0≦N’<5.0 | d | 3.0≦N’<4.0 | |
Ⅴ | 5.0≦N’ | e | 4.0≦N’<5.0 | |
改定2 | f | 5.0≦N’ | ||
改定3, 改定4 |
性能証明内容(圧縮試験)
■試験結果
鋼管芯材は試験により強度を確認致しました。
◎圧縮耐力及び圧縮荷重度と引張荷重度の割合
段付鋼管径 d(㎜) |
肉厚 t(㎜) |
規格名 | 降伏(短期) 圧縮耐力 (kN) |
長期 圧縮耐力 (kN) |
平均引張 降伏荷重度 Sy (N/㎜2) |
平均圧縮 降伏荷重度 σy (N/㎜2) |
σy/Sy |
---|---|---|---|---|---|---|---|
48.6 | 2.8 | STK400-MD | 90.0 | 60.0 | 331 | 223 | 0.67 |
76.3 | 3.2 | SGP-MD | 110.0 | 73.3 | 251 | 150 | 0.60 |
114.3 | 3.5 | SGP-MD | 145.5 | 97.0 | 212 | 121 | 0.57 |
114.3 | 4.5 | SGP-MD | 270.0 | 180.0 | 206 | 174 | 0.84 |
114.3 | 6.0 | NSDP400 | 420.0 | 280.0 | 332 | 206 | 0.62 |
139.8 | 6.0 | NSDP400 | 540.0 | 360.0 | 319 | 214 | 0.67 |
165.2 | 6.0 | NSDP400 | 600.0 | 400.0 | 302 | 200 | 0.66 |
◎荷重度一ひずみ曲線
◎荷重一変位曲線(φ48.6-t2.8)
◎段付鋼管の限界耐力、限界荷重度及び変形係数
試験体 No. |
規格 | 圧縮限界耐力 Pmax(kN) |
圧縮限界荷重度 σmax(N/㎜2) |
変形係数 Ed(N/㎜2) |
|||
平均 | 平均 | 平均 | |||||
40-2.8-1 | STK400-MD | 108 | 107 | 267 | 265 | 5.9×104 | 5.9×104 |
40-2.8-2 | 106 | 264 | 5.9×104 | ||||
40-2.8-3 | 106 | 262 | 6.0×104 | ||||
65-3.2-1 | SGP-MD | 125 | 127 | 171 | 173 | 5.3×104 | 5.5×104 |
65-3.2-2 | 127 | 173 | 5.6×104 | ||||
65-3.2-3 | 128 | 174 | 5.7×104 | ||||
100-3.5-1 | SGP-MD | 174 | 173 | 143 | 142 | 3.0×104 | 3.3×104 |
100-3.5-2 | 173 | 142 | 4.5×104 | ||||
100-3.5-3 | 172 | 141 | 2.3×104 | ||||
100-4.5-1 | SGP-MD | 356 | 360 | 229 | 231 | 4.2×104 | 5.2×104 |
100-4.5-2 | 353 | 227 | 4.4×104 | ||||
100-4.5-3 | 362 | 233 | 5.7×104 | ||||
100-4.5-4 | 367 | 236 | 5.5×104 | ||||
100-4.5-5 | 356 | 229 | 5.8×104 | ||||
100-4.5-6 | 363 | 234 | 5.5×104 | ||||
100-6.0-1 | NSDP400 | 550 | 538 | 269 | 263 | 12.7×104 | 11.2×104 |
100-6.0-2 | 527 | 258 | 11.1×104 | ||||
100-6.0-3 | 538 | 263 | 9.8×104 | ||||
125-6.0-1 | NSDP400 | 663 | 659 | 263 | 261 | 14.9×104 | 14.7×104 |
125-6.0-2 | 661 | 262 | 14.9×104 | ||||
125-6.0-3 | 653 | 259 | 14.3×104 | ||||
150-6.0-1 | NSDP400 | 712 | 713 | 237 | 238 | 14.4×104 | 14.1×104 |
150-6.0-2 | 717 | 239 | 14.0×104 | ||||
150-6.0-3 | 710 | 237 | 14.0×104 |
コラム頭部処理例
水平力の検討について
◎タイガーパイル工法においての水平力の検討は、改良体に生ずる応力度が許容圧縮応力度と許容引張り応力度及び許容せん断応力度以下であることを確認します。許容応力度及びせん断応力度について、これまでに培われたデータにより以下の検討により求めるものとしております。
■許容圧縮応力度と許容引張り応力度
常時 | 中地震時 | |
許容圧縮応力度 fc | (1/3Fc*Ac+Pa)/Ap | (2/3Fc*Ac+Py)/Ap |
許容引張り応力度 ft | 0 (引張り応力を生じてはならない) |
(-0.2)fc又は(-2/3)qutmaxのうち絶対値が小さい方 |
Fc:設計基準強度(kN/㎡)
qutmax:300(kN/㎡)
Py:段付鋼管の短期圧縮耐力(kN)
Pa:段付鋼管の長期圧縮耐力(kN)
Ac:ソイルセメント部分の断面積(㎡),
改良体全体の断面積(㎡)
段付鋼管仕様 | 段付鋼管の許容圧縮耐力 | |||
外径 (㎜) |
肉厚 (㎜) |
規格 | (常時)Pa (kN) |
(中地震)Py (kN) |
48.6 | 2.8 | STK400-MD | 60.0 | 90.0 |
76.3 | 3.2 | SGP-MD | 73.3 | 110.0 |
114.3 | 3.5 | SGP-MD | 97.0 | 145.5 |
114.3 | 4.5 | SGP-MD | 180.0 | 270.0 |
114.3 | 6.0 | NSDP400 | 280.0 | 420.0 |
139.8 | 6.0 | NSDP400 | 360.0 | 540.0 |
165.2 | 6.0 | NSDP400 | 400.0 | 600.0 |
■許容せん断応力
常 時
fτ={1/3 Fτ・Ac+Pτa}/Ap
中地震時
fτ={2/3 Fτ・Ac+Pτa}/Ap
記号 fτ:許容せん断応力度(kN/㎡) Fτ:設計せん断強度(kN/㎡) Fτl =0.3Fc+σn・tanφ又はFτ2=0.5Fcのうち小さい値 Fc:設計基準強度(kN/㎡) σn:せん断面に作用する垂直応力(kN/㎡) σn = Qp/Ac Qp:改良体1本あたりに作用する水平力(kN) Ac:ソイルセメント部分の面積(㎡) Ap:一体として扱う改良体の面積(㎡) φ:改良体の内部摩擦角(30Åã) Pτy:段付鋼管の短期剪断耐力(kN) Pτa:段付鋼管の長期剪断耐力(kN) |
性能証明内容(剪断試験及び曲げ試験)
■材料強度の確認
追加申請においては、様々な追加試験を行い、多角的にタイガーパイルの特性を検討致しました。
中でもタイガーパイル芯材(段付鋼管)の剪断試験や、タイガーパイルに対する実大曲げ試験においては、ソイルセメント・鋼管のみの場合と比較して、耐力及び靱性の大幅な向上が確認されました。
◎段付鋼管の剪断試験
鋼管径 (㎜) |
肉厚 (㎜) |
断面積 (㎜2) |
荷重条件 | 剪断耐力 (kN) |
剪断応力度 (N/㎜2) |
48.6 | 2.8 | 402.9 | 長期 | 24 | 59.6 |
短期 | 36 | 89.4 | |||
76.3 | 3.2 | 734.9 | 長期 | 36 | 49.0 |
短期 | 54 | 73.5 | |||
114.3 | 3.5 | 1218.3 | 長期 | 54 | 44.3 |
短期 | 81 | 66.5 | |||
4.5 | 1552.3 | 長期 | 100 | 64.4 | |
短期 | 150 | 96.6 | |||
6.0 | 2041.4 | 長期 | 120 | 58.8 | |
短期 | 180 | 88.2 | |||
139.8 | 6.0 | 2522.1 | 長期 | 172 | 68.2 |
短期 | 258 | 102.3 | |||
165.2 | 6.0 | 3000.8 | 長期 | 224 | 74.6 |
短期 | 336 | 112.0 |
◎段付鋼管の曲げ試験
No | 外径 (㎜) |
肉厚 (㎜) |
スパン (㎜) |
リブ位置 | 載荷位置 | 降伏荷重 (kN) |
最大荷重 (kN) |
断面2次モーメント(㎜4) |
a | 48.6 | 2.8 | 1,800 | 水平 | 直管部 | 2.4 | 3.2 | 7.25×104 |
b | 1,900 | 水平 | 段部 | 2.4 | 2.9 | |||
c | 1,900 | 垂直 | 段部 | 2.3 | 3.2 | |||
d | 76.3 | 3.2 | 3,000 | 水平 | 直管部 | 3.1 | 4.7 | 3.8×105 |
e | 114.3 | 3.5 | 1,900 | 垂直 | 直管部 | 9.0 | 12.4 | 8.71×105 |
f | 1,800 | 垂直 | 段部 | 9.2 | 12.7 | |||
g | 1,800 | 水平 | 段部 | 10.0 | 13.2 | |||
h | 4.5 | 3,100 | 水平 | 直管部 | 9.0 | 12.6 | 2.14×106 | |
i | 6.0 | 1,900 | 垂直 | 直管部 | 28.5 | 36.2 | 1.95×106 | |
j | 1,800 | 垂直 | 段部 | 30.0 | 36.3 | |||
k | 1,800 | 水平 | 段部 | 30.3 | 37.5 | |||
l | 139.8 | 6.0 | 1,900 | 水平 | 直管部 | 56.5 | 68.4 | 4.17×106 |
m | 1,800 | 垂直 | 段部 | 54.0 | 66.9 | |||
n | 1,800 | 水平 | 段部 | 49.0 | 61.6 | |||
o | 165.2 | 6.0 | 1,800 | 水平 | 直管部 | 72.5 | 87.0 | 5.38×106 |
p | 1,800 | 垂直 | 段部 | 80.2 | 99.5 | |||
q | 1,800 | 水平 | 段部 | 70.0 | 91.8 |
◎タイガーパイルの曲げ試験
曲 げ 試 験 結 果 |
試験体 | 土質 | 最大荷重P (kN) |
対段付鋼管 倍率 |
対ソイルセメント倍率 | 芯材 |
タイガーパイル | 粘性土 | 20.0 | 4.3 | 倍率なし | 76.3 | |
タイガーパイル | 砂質土 | 24.5 | 5.2 | 16.3 | 76.3 | |
ソイルセメント | 粘性土 | 0(自重により破壊) | 0.0 | ― | 76.3 | |
ソイルセメント | 砂質土 | 1.5 | 0.3 | 1.0 | 76.3 | |
段付鋼管のみ | ― | 4.7 | 1.0 | 76.3 | ||
― | 15.0 | 1.0 | 114.3 |
許容鉛直支持力表
図の見方
砂質土地盤の場合N’ = 2Wsw + 0.067Nsw ・・・式Ⅰ.1.1
粘性土地盤の場合N’= 3Wsw + 0.05Nsw ・・・ 式Ⅰ.1.2
Wsw:SWSにおける荷重(kN)
Nsw:SWSにおける貫入1m当たりの半回転数(回)
先端地盤の種別
先端地盤種別 | 先端地盤の平均N’値 |
a | 0.15≦N’<1.5 |
b | 1.50≦N’<2.25 |
c | 2.25≦N’<3.0 |
d | 3.0≦N’<5.0 |
e | 5.0≦N’<7.0 |
f | 7.0≦N’<10.0 |
g | 10.0≦N’ |
周辺地盤の種別
周辺地盤種別 | 周辺地盤の平均N’値 |
Ⅰ | 0.6≦N’<1.0 |
Ⅱ | 1.0≦N’<2.0 |
Ⅲ | 2.0≦N’<3.0 |
Ⅳ | 3.0≦N’<4.0 |
Ⅴ | 4.0≦N’<5.0 |
Ⅵ | 5.0≦N’ |