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タイガーラフト工法

タイガーラフト工法

タイガーラフト工法表紙

タイガーラフト工法とは

タイガーパイルと基礎で支持するパイルドラフト工法です。

本技術は、基礎の支持力向上及び沈下量低減を図るため性能証明されたタイガーパイル工法((財)日本建築総合試験所建築技術性能証明 GBRC 性能証明 第06-12号改4)の支持力性能と基礎スラブによる改良体間地盤の支持力性能を利用した複合地盤改良工法です。

タイガーラフト工法の特長

基礎底面の支持力を有効に活用します

本工法では、小規模建築物の現状に即した支持力機構(改良体支持力+地盤支持力)により支持力性能の検証を行うことで、タイガーパイルおよび基礎スラブの双方が有効に作用し、複合的な支持力性能を評価する事が可能となりました。

タイガーラフト工法を用いて経済性UP

本工法では、改良体間地盤の支持力性能を適切に評価するとともに、改良体ばねを適切に評価することができることから、改良体及び基礎梁に応力が集中することなく、複合地盤として一様に支持力剛性が向上します。従って、従来の杭状地盤補強に比べ、基礎梁にはたらく応力が減少し、適切な配筋量、適切な断面及びピッチでの設計が可能となります。

タイガーラフト工法図1
タイガーラフト工法図2

適用範囲

本工法の適用建築物は以下の通りです。

適用
範囲
地盤 建築物 基礎形式 工作物 鋼管長
(1) 粘性土地盤 階数:地上3層以下 ベタ基礎 高さH=3.5m以下の擁壁 最大:8m
(2) 砂質土地盤(礫質土地盤を含む) 軒高:10m以下 布基礎 ボックスカルバート 最小:0.5m
(3) 型式認定上のC地盤 建物高さ:13m以下      
(4)   基礎の設計接地圧:100kN/㎡以下      

摩擦力が大きく優れた支持力

タイガーパイル工法は、鋼管杭工法の安定した材料強度とソイルセメントコラム工法の大きな摩擦力を合成させることにより、ソイルセメントコラム工法の短所であるコラム強度のバラツキを鋼管が補い、鋼管杭工法の短所である小さな摩擦力をソイルセメントコラム工法が補うことで、各工法の短所を打ち消し、高い支持力を発揮することができます。

良好な品質を確保!

芯材に使用する鋼管は、一般的に使用されている冷間製造の鋼管ではなく、熱間製造の鋼管を使用しており、造管ラインにて段付の鋼管を製造し、付着力の増大を考慮した鋼管として利用するものです。

安全性の比較

ソイルセメントコラムは、杭頭部周辺に応力が集中するため、固化不良や土塊が在ると杭自体が崩壊してしまうのに対し、タイガーパイルは、芯材効果により応力集中を防ぐと共に、芯材全長で支えていることから一部分に固化不良が生じた場合でも影響を回避できます。

腐植土地盤における適用性

腐植土により固化不良が発生する地盤の場合、 ソイルセメントコラムは強度を保てないため設計できないのに対し、タイガーパイルは、芯材の摩擦力(付着力)が大きいため、芯材の材料強度(73.3~178kN)及び腐植土部分を除いた支持力の小さい方まで設計考慮することができます。

優れた環境性能

高支持力化に伴い、施工長の短縮が可能。製造時、CO2発生量の多い鉄やセメント系固化材の使用量を大幅に縮小。施工時の発生残土量及び施工設備の排気ガスについても大幅に減少することができ、環境に配慮した工法です。

タイガーパイル工法との仕様比較

複合的な支持機構を採用する事により改良体の仕様を低減する事が出来ます。(設計例)

タイガーパイル工法との仕様比較

工法のフロー

地盤調査から施工までのフロー

地盤調査から施工までのフロー

弊社ですべて支援いたします。

工法採用時の留意点

地盤の特性把握が重要です

地盤の把握

  1. 資料調査を実施し、地形や土質及び留意しなければならない事項を整理する。
  2. 現地調査を実施し、当該敷地状況及び周辺状況から、不同沈下の可能性や地盤の安定度を整理する。
  3. スクリューウェイト貫入試験を敷地内対角2ポイント以上実施し、地盤の締まり具合を確認する。
  4. 液状化の可能性がある地盤や腐植土が介在している可能性の高い地盤及び、土質が不明瞭な地盤に対しては、 サンプリングを実施し、土質判定、配合試験、土質試験 (含水比試験、粒度試験等)を適宜行い、地盤の性状を把握する。
地盤の把握
詳細な地盤調査

地盤の詳細調査は専門業者である弊社にお任せください

○地盤調査のプロによる詳細調査

スクリューウェイト貫入調査に加えて、豊富な資料を活用し、現地の地盤特性を判断します。また、現地周辺の土地利用状況も専門の地盤業者の目で確認します。また、土のサンプリングにより、地盤の性状確認を行い、適切に地盤特性把握をします。

地形区分図
地形区分図
液状化簡易判定
液状化簡易判定

土のサンプリング装置例(土取り装置:連続的に土質確認ができる)

土のサンプリング装置例1
土のサンプリング装置例2
土のサンプリング装置例3

土のサンプリング装置例4
土のサンプリング装置例5

施工手順/仕様

施工手順

タイガーラフトは、アイ・マーク工法で培った技術にてソイルセメントコラムを先行して築造。
次に段付鋼管を未固化状態のソイルセメントコラムの中へ挿入し、天端高さを合わせて終了。

  1. コラム芯セット 及びロッドの 鉛直確認を行う。
  2. セメントミルクを吐出しながら正回転にて掘進・混合撹拌する。
  3. 深度計により、設計深度まで到達したことを確認する。
  4. 1.5D分の先端練返しを行う。(引上時は逆回転とする)
  5. 逆回転にて引き上げ工程に入る。
  6. 羽根切り回数をチェックしながら引き上げていく。
  1. ソイルセメントコラムの打設完了。
  2. ソイルセメントコラムの中心に段付鋼管を建て込む。
  3. 継管がある場合は、下管を適切な位置で止め、上管を建て込む。
  4. 下管と上管との継ぎ手は、スリーブ継手、溶接継手にて行う。
  5. 鋼管の天端を所定の深度まで挿入する。
  6. 鋼管レベルに合わせてコラム頭部を修正する。
コラム芯セット 及びロッドの 鉛直確認を行う。
1.コラム芯セット 及びロッドの 鉛直確認を行う。
セメントミルクを吐出しながら正回転にて掘進・混合撹拌する。
2.セメントミルクを吐出しながら正回転にて掘進・混合撹拌する。
ソイルセメントコラムの中心 に段付鋼管を建て込む。
8.ソイルセメントコラムの中心 に段付鋼管を建て込む。
下管と上管との継ぎ手は、スリーブ継手、溶接継手にて行う。
10.下管と上管との継ぎ手は、スリーブ継手、溶接継手にて行う。
鋼管レベルに合わせてコラム頭部を修正する。
12.鋼管レベルに合わせてコラム頭部を修正する。
施工手順

撹拌翼の仕様

撹拌翼の仕様
タイプⅠ タイプⅡ
掘削翼
2枚 2枚
撹拌翼
12枚 8枚
特長
共回り防止翼が連結して多層に入ってお り、粘性の大きい土質や、有機分が混入した土質などのように、撹拌性能が大きく必要な土質に適している、高撹拌タイプの撹拌装置。 共回り防止翼が撹拌翼を囲むようにして1箇所配置され、撹拌翼の間隔も大きい形状をしており、砂、砂礫及び地中障害物の混入した土質のように回転力が大きく必要な場合の土質に適している、高回特徴、転タイプの撹拌装置。

ソイルセメントコラムの仕様

ソイルセメントコラムは、 当社が実績のあるアイ・マ ーク工法で培ってきた技 術を盛り込んでいます。 装置や撹拌方法、管理基 準に至るまで詳細な仕様 を設定し、施工・品質管理 を行なうことにより、良質なソイルセメントコラムを 築造します。 ソイルセメントコラム径は 最小でφ300を実現し、残土発生を抑えるとともに、 固化材使用量も低減して います。

  ソイルセメントコラム径 D(mm)
300 400 500 600





d
(mm)
48.6    
76.3  
114.3  
ソイルセメントコラム径
コラム径D 300mm、400mm、500mm、600mm
先端余長C 400mm
設計基準強度Fc 標準 600kN/㎡
※配合試験を行う場合は、
600~1200kN/㎡の
範囲内で設定する。

固化材添加量

標準 350kg/㎥
※配合試験を行う場合は、
試験内容による。
W/C 標準70%
※試掘時の土質の状況により
50%~120%の範囲内で設定する。
変動係数Vquf 粘性土 0.25
砂質土 0.20
羽根切回数 粘性土 600回/m以上
砂質土 500回/m以上
先端練返し 1.5D以上

段付鋼管の仕様

鋼管は、新日本製鐵(株)が新しく開発した鋼管を使用。段付きになっているためソイルとの 付着力特性が向上、工場ラインで生産のため安心度も確保しました。

  段付鋼管の各種数値
48.6 76.3 114.3 114.3
規格名 STK-400MD SGP-MD
製造方法 鍛接鋼管
肉厚 t mm 2.8 3.2 3.5 4.5
単位質量 W kg/m 3.16 5.77 9.56 12.19
断面積(最大部) mm2 402.88 734.88 1218.31 1552.26
溝の深さa 帯部 mm 5±2 6±2 7±2 7±2
リブ部 mm 3≧a≧0 5≧a≧0 7≧a≧0 5≧a≧0
溝の間隔 b mm 115±10 190±10 120±15 130±15
リブの幅 mm 6±5 8±5 15±10 15±10
引張強さ ft N/m2 ≧400 ≧290 ≧290 ≧290
降伏耐力 N/m2 ≧235 ≧190 ≧190 ≧190
伸び % ≧24 ≧24 ≧24 ≧24
へん平性   2/3d 2/3d 2/3d 2/3d
段付鋼管の仕様
a. 正面部
a. 正面部
b. 正面リブ部
b. 正面リブ部

①複合地盤の許容鉛直支持力

①複合地盤の許容鉛直支持力度

本工法で補強された複合地盤の許容鉛直支持力度qaは、地盤の極限支持力度qdと改良体の許容鉛直支持力Ra、および1本当たりが負担する基礎の支配面積Afから式①-1で求める。

qa=1/Fs[qd・(1-as)+Ru/Ap・as]=1/F・qd・(1-as)+Ra/Ap・as

・・・式①ー1

qa:複合地盤の許容鉛直支持力度(kN/㎡)
Fs:安全率(長期:3, 短期:1.5とする)
qd:改良体間地盤の極限支持力度(kN/㎡)
as:改良率 as=Ap/Af
Ap:改良体の断面積(㎡)
Af:改良体1本当たりが負担する基礎の支配面積(㎡)
  右図に支配面積の設定例を示す。
Ru:改良体の極限鉛直支持力(kN)
Ra:改良体の許容鉛直支持力(kN)

qd=(30×Wsw+0.64×Nsw)×3

Wsw:スクリューウェイト貫入試験における荷重(kN)
Nsw : スクリューウェイト貫入試験における半回転数(回/m)
   ここで、Nswの上限値は80とする。

改良体の許容鉛直支持力Raはタイガーパイル工法(改4)の性能証明内容に基づき設定する。
砂質土地盤の場合N’=2Wsw+0.067Nsw
粘性土地盤の場合N’=3Wsw+0.05Nsw

Wsw:SWSにおける荷重(kN)
Nsw :SWSにおける貫入1m当たりの半回転数(回)
   (Nswの上限値は150とする)
先端地盤種別 先端地盤の平均N’値
a 0.15≦N’<1.5
b 1.5≦N’<2.25
c 2.25≦N’<3.0
d 3.0≦N’<5.0
e 5.0≦N’<7.0
f 7.0≦N’<10.0
g 10≦N’
周辺地盤種別 周辺地盤の平均N’値
0.6≦N’<1.0
1.0≦N’<2.0
2.0≦N’<3.0
3.0≦N’<4.0
4.0≦N’<5.0
5.0≦N’
改良体が負担する基礎の支配面積設定例
改良体が負担する基礎の支配面積設定例
複合地盤の許容鉛直支持力度図

許容鉛直支持力表例

φ300mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc600
φ300mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc600
φ400mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc600
φ400mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc600
φ400mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc900
φ400mm-φ48.6mm-t2.8mm-Fc900
φ400mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc600
φ400mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc600
φ400mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc900
φ400mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc900
φ500mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc600
φ500mm-φ76.3mm-t3.2mm-Fc600

設計②改良体の配置

改良体の配置

改良体の配置は、基礎の設計接地圧および地盤の許容支持力度に応じて決定する。
改良体は、原則として、基礎通り芯の上に配置するが、ベタ基礎の場合、基礎通りのスパンが大きい場合や、上部構造部の荷重が大きく入力される場合などでは、基礎の立ち上がりが無い基礎スラブ部分にも適宜配置する。また、基礎スラブの剛性が確認されているベタ基礎の場合は均等配置を許容する。
改良体の間隔は、原則として2.0m程度とするが、建物荷重や地盤の支持力を鑑みて、改良径の2倍程度~2.73m程度とする。また、改良体1本あたりの負担荷重が著しくばらつかないように配置する。

改良体の配置例
改良体の配置例

設計③補強地盤のばね

③補強地盤のばね

沈下計算及び支持力検討に用いる改良体と地盤の各ばね値を下図に定義する。

(1)設計地盤ばねks

地盤ばねks’は、建築基礎構造設計指針(以降基礎指針と呼ぶ)5.3「一様な水平地盤上の基礎の即時沈下」に示されている検討手法により求める。改良体1本あたりが負担する長方形支配面における隅角部及び中央部の即時沈下量の平均値Seから算出する。隅角部の即時沈下量Seg、中央部の即時沈下量Sec、平均沈下量Seをそれぞれ式③ー1、③ー2、③ー3に示す。設計地盤ばねksは、平均地盤ばねに補性係数を考慮した式③ー4により求める。

隅角部沈下量Seg=ls((1-Vs2) /Es)qB

・・・式③ー1

中央部沈下量
Sec= ls((1-Vs2) /Es)q×B/2×4=2ls((1-Vs2) /Es)qB

・・・式③ー2

平均沈下量Se=1.5ls((1-Vs2) /Es)q×B

・・・式③ー3

設計地盤ばねks’×α

平均地盤バネ
ks’=P/Se=(q×B×L) / ((1.5ls ((1-Vs2)/ Es )q×B)= Es×L/1.5ls(1-Vs2)

・・・式③ー4

α:載荷試験結果と算定結果から求まる補正係数 α =5.54
ls:基礎底面の形状によって決まる沈下係数
ばね値の定義
ばね値の定義

ls=1/π{l×loge((1+√(l2+1))/l)+loge(l+√(l2+1))}

・・・式③ー5

L:支配面積の長辺長さ(m)
B:支配面積の短辺長さ(m)
  l = L/B
Es:平均地盤バネks’算出時に利用する地盤の換算弾性係数(kN/㎡)
Es:SWS試験の結果から求める地盤の換算弾性係数(kN/㎡)
Es=5000Wsw+85Nsw・・・式③ー6
Wsw:SWS試験における荷重(kN)
Nsw:SWS試験における貫入量1mあたりの半回転数(回/m)
vs:平均地盤バネks’算出時に利用する地盤の平均ポアソン比vs SWS試験結果から25cm毎に設定したvsを、平均Es算出時に採用した範囲内の地盤に対するvsの平均値とする。vsの設定条件は、砂質土vs=0.3、飽和粘性土vs=0.5、非飽和粘性土vs=0.4とする。
平均Esの算出方法概要
平均Esの算出方法概要

(2)改良体頭部ばねkt

本工法における改良体頭部ばねktは、改良体先端部分に働く改良体先端ばねkpsと、改良体周面に働く地盤摩擦ばねkpfを並列ばねとし、改良体ばねkpを直列ばねとして設定する。

kt={(kps+kpf)×kp}/{(kps+kp)+kp}×β

・・・式③ー7

kps:改良体先端ばね(kN/m)

kps=(Esp×ψ)/(4ls×(1-Vs2))

・・・式③ー8

kpf:地盤摩擦ばね(kN/m)

kps=(Rf/3)/0.0013=Rf/0.0039

・・・式③ー10

kp:改良体ばね(kN/m)

kp=[(Esp・Asp)/Lp+(Esc・Asc)/Lc]×2

・・・式③ー12

Esp:段付鋼管のヤング係数(kN/㎡)
Asp:段付鋼管の最大純断面積(㎡)
Lp:段付鋼管長(m)
Esc:ソイルセメントのヤング係数(kN/㎡)
Es=5000Wsw+85Nsw・・・式③ー13
qu:ソイルセメントコラムの一軸圧縮強さ(kN/㎡)
qu=Fc/(1-1.3Vquf)・・・式③ー14
FC:ソイルセメントコラムの設計基準強度(kN/ ㎡ )
Vauf:ソイルセメントコラムの変動係数
   Vquf=0.25と設定
Asc:ソイルセメントの純断面積(㎡)
LC:ソイルセメントコラム長(m)
L:支配面積の長辺長さ(m)
B:支配面積の短辺長さ(m)
  l = L/B
Esp:改良体先端ばねkps算出時に利用する地盤の換算弾性係数(kN/㎡)
Esp:SWS試験の結果から求める地盤の換算弾性係数(kN/㎡)
Esp=5000Wsw+85Nsw・・・式③ー9
ψ:改良体の周長(m)
Is:沈下係数 円形基礎の剛性∞におけるIs=0.79を適用する。
vs:改良体先端ばねkps算出時に利用する地盤のポアソン比SWS試験結果から25cm毎にvsを設定し、段付鋼管先端から下方800mm範囲内の平均vsとする。 VSの設定条件は、砂質土vs=0.3、飽和粘性土vs=0.5、非飽和粘性土vs=0.4とする。
Rf:改良体の極限周面抵抗力(kN)
Rf=13.9× N’×Lf×ψ・・・式③ー11
N’:周面摩擦力を考慮する部分の平均N値
Lf:周面摩擦力を考慮する部分の改良長(m)
ψ:改良体の周長(m)
直径
d
(mm)
肉厚
t
(mm)
断面積
Asp
(ms)
ヤング係数
Esp
(kN/㎡)
48.6 2.8 403 59000000
76.3 3.2 735 55000000
114.3 3.5 1218 33000000
114.3 4.5 1552 52000000

段付鋼管のヤング係数

β:載荷試験結果と算定結果から求まる補正係数 β=2.24

設計④圧密沈下

④圧密沈下

小規模建築物は、建物重量が比較的軽量であるが、地盤の条件によっては、長期間にわたって圧密沈下が続く可能性があるため、下記に示す圧密沈下計算を実施し、建物に有害な変形及び損傷が生じないようにする。地盤の圧密沈下を予測する場合は詳細な土質試験を実施し、地盤の圧密状態や地盤の圧密特性を把握しなければならないが、SWS試験結果を利用した概略的な圧密沈下計算として、小規模建築物の基礎設計指針(建築学会:2008 以後小規模指針と呼ぶ)に提案されているmv法により圧密沈下量を算出する。以下に沈下検討概要図及び計算方法を示す。

■ 圧密沈下量S:S=mv・⊿σ・H (mm)

mv:体積圧縮係数(㎡/kN)

mv=1/52c’=1/26qu’=1/(26(45Wsw+0.75Nsw))関東地方の場合

mv=1/80c’=1/40qu’=1/(40(45Wsw+0.75Nsw))関東地方以外の場合

c’:圧密対象層の粘着力(kN/㎡)
qu’:圧密対象層の一軸圧縮強さ(kN/㎡)
Wsw:SWS試験における荷重(kN)
Nsw:SWS試験における貫入量1mあたりの半回転数(回)

※圧密対象層にてサンプリングを行い含水比試験を行った場合

mv=1.0×10-5×WnA
 A=1.2-0.0015[σ0+⊿σ/2]

wn:自然含水比(%) σ0:有効上載圧(kN/㎡)

■ 有効上載圧 σ0:γH1+( γ -9.8)(Z-H1)

γ:土の湿潤単位体積重量(kN/㎡) H1:地下水位(m)
Z:地表面からの深さ(m)

■ 圧密降伏応力Pc:1.2 qu(kN/㎡)

qu’:圧密対象層の一軸圧縮強さ(kN/ )
圧密沈下

■ 圧密対象層

圧密対象層は、圧密試験の結果、飽和した軟弱な沖積粘性土あるいは高有機質土において、有効上載圧に増加応力を加算した応力が圧密降伏応力を超える領域内としている。また、小規模建築物の場合、詳細な地盤調査及び土質調査が実施できない状況が多いことから、小規模指針では、SWS試験結果を利用した概略的な圧密沈下計算の場合、圧密対象層をWswが0.75kN程度以下の層とする。

■ 地中増加応力⊿σ

地中増加応力は、建築の際に新たに加わった荷重が、各深度の地層における増加応力であり、図に示すように、建物荷重を改良長の1/3部分にかかると仮定し、30° の応力分散角を考慮した各深度ごとの地中増加応力を算出する。


性能確認試験内容

本工法では、改良体と改良体間地盤の支持力性能を解析・評価するために、計30箇所の性能確認試験を行いました。改良体、改良体間地盤や基礎形状等に分けて、その支持力特性を評価しました。

性能確認試験内容
改良体+布基礎 測定状況
改良体+布基礎 測定状況
改良体+ベタ基礎測定状況
改良体+ベタ基礎測定状況
改良体単体試験状況
補強地盤試験状況(布基礎)
補強地盤試験状況(ベタ基礎)
改良体単体試験 測定状況
改良体+ベタ基礎 測定状況

上記の試験結果より各部の支持力特性を評価し、複合地盤の支持力を検討しました。右図に算定値と実測値の比較図を示します。

右図に示すように、余裕度は長期荷重時及び短期荷重時で1.2~2.6倍となっており、平均1.6倍の安全率を有する支持力である事が確認されています。

実測値と計算値関係図
実測値と計算値関係図