アイ・マーク工法とは実績のある深層混合処理工法です
特長
3つのタイプのアイ・マークが合体!
アイ・マーク + スーパー・アイ・マーク+ アイ・マーク・ウォール
名称:アイ・マークエ法 3つのタイプのアイ・マークが合体しました
性能証明書
適用範囲及びソイルセメント仕様
運用上の名称と用途および条件
3つの改良形式と4つの撹拌翼
杭形式・ブロック形式・壁形式 高回転・高撹拌・高掘削回転・高掘削撹拌型
3つの改良形式
3つの改良形式が採用でき採用範囲が広がります。
4つの撹拌翼
本工法で使用する撹拌装置は、地盤状況や、施工機の仕様を考慮して下図に示す4タイプの撹拌装置から適宜選択します。
概要
施工サイクル
本工法の施工サイクルは、掘進撹拌、先端処理、引き上げ速度、羽根切り回数、セメントスラリー吐出量及び先端処理を適切に管理します。
施工サイクル例
上部吐出弁
本工法は、掘進時に撹拌装置先端の吐出弁からセメントスラリーを吐出させ混合撹拌を行う施工を標準としているが、撹拌装置上部に上部吐出弁ユニット(図2-9、写真1-1参照)を取り付けることで、引き上げ時にセメントスラリーを吐出させた混合撹拌も可能である。上部吐出弁は、逆回転(左回転)すると開放する機構となっており、掘進時は正回転にて通常通りの施工を行い、引き上げ時は逆回転とすることで施工を可能にする。
掘進速度
粘性土のように撹拌が難しい土質の場合、掘進時に地盤を薄くスライスしながらセメントスラリーと混合撹拌させることで、高い品質を確保することが出来る。従って、掘進速度は非常に重要な施工管理項目となる。掘進速度は2m/min以下とし、設定の目安を表4-4に示し、掘進速度の一例を表4-5に示す。
表4-4 掘進速度の設定の目安
標準地盤 |
・撹拌しやすい地盤 |
・撹拌しにくい地盤 (ロームや粘性の強い地盤) |
1m/min | 2m/min以下 | 1m/min以下 |
表4-5 掘進速度の一例
掘進速度 (m/分) |
セメントスラリー吐出量 (ℓ/min) |
軸回転数 (回/min) |
羽根切り回数 (回/m) |
1.0 | 40 | 30~50 | 240~400 |
1.5 | 60 | 40~60 | 208~320 |
2.0 | 80 | 60~80 | 240~320 |
*固化材配合350kgf/m2、W/C=60%、撹拌翼8枚とした場合
引上速度
引上速度は、3m/min以下とし、設定の目安を表4-6に示し、引上速度の一例表4-7を示す。
表4-6 引上速度の設定の目安
・撹拌しやすい地盤 (砂質土や粘性の小さい地盤) ・高速回転で施工可能な地盤 |
・撹拌しにくい地盤 (ロームや粘性の強い地盤) |
3m/min以下 | 2m/min以下 |
表4-7 引上速度の一例
引上速度 (m/分) |
軸回転数 (回/min) |
撹拌翼枚数 (枚) |
羽根切り回数 (回/m) |
1.0~2.0 | 30~50 | 8 | 240~480 |
1.5~2.5 | 40~60 | 8 | 256~424 |
2.0~3.0 | 60~80 | 8 | 264~400 |
羽根切り回数
羽根切り回数とは、改良体1mあたりに撹拌翼が通過した回数を示したものであり、セメントスラリーを吐出していない空撹拌時の回数はカウントしない。本工法における羽根切り回数を表4-8に示し、羽根切り回数の計算式を式4-1に示す。また、羽根切り回数が600回/m以上となる掘進引上速度および軸回転数の組み合わせ一覧を表4-9に示す。
改良体の先端部から上方に改良径DX1.5倍の範囲(以後先端範囲と呼ぶ)は、撹拌翼の全てが通過しない場合があるため、羽根切り回数を適切に表現することは出来ない。しかし、先端処理を行うことで品質を確保することが出来るため、先端範囲の羽根切り回数についても同様に式4-1を用いて設定して良いものとする。
羽根切り回数 = 撹拌翼枚数×〔掘進時軸回転数×1/掘進速度×引上時軸回転数×1/引上速度〕
・・・式4-1
単位
羽根切り回数:回/m
撹拌翼枚数:枚
掘進時軸回転数:rpm
掘進速度:m/min
引上時軸回転数:rpm
引上速度 :m/min
表4-8 羽根切り回数
土質 | 羽根切り回数基準値 |
砂質土 | 500回/m以上 |
粘性土 | 600回/m以上 |
ローム | 600回/m以上 |
表4-9 羽根切り回数が600回/m以上となる掘進引上速度および軸回転数の組み合わせ一覧
先端処理
先端部分は、先端支持力を確保する上で非常に重要な部分であり、先端部分の品質を確保するためには、 表4-10に示す先端処理の仕様に従い施工を行う。先端停止時間(先端部にて停止する20秒)は、規定量の セメントスラリーを吐出した後に先端練り返しの前または後にて実施する。 先端処理例を図4-8に示す。
表4-10 先端処理の仕様
項目 | 先端吐出型施工 | 上下吐出型施工 |
先端練り返し量 | 1.5D以上 | 1.5D以上且つ先端から上部吐出口までの距離以上 |
先端練り返し掘進速度 | 引上速度以下 | 掘進速度に準ずる |
先端練り返し引上速度 | 引上速度以下 | |
先端停止時間 | 20秒以上 |
図4-8 先端処理の例 (a)先端吐出型の施工例
図4-8 先端処理の例 (b)上下吐出型の施工例
セメントスラリー吐出量
セメントスラリーの吐出量(ポンプ吐出量)(L/min)は、1mあたりに必要なセメントスラリー量を確保 するため、適切に設定しなければならない。掘進時にのみ吐出する先端吐出型の算定方法を式4-2に、掘 進時および引き上げ時に吐出する上下吐出型の算定方法を式4-3に示す。
- 掘進時に全注入量を吐出させる場合のセメントスラリー吐出量S1の算定
S1 = SQ×V1
・・・式4-2
- 掘進時および引き上げ時に全注入量を吐出させる場合のセメントスラリー吐出量S2の算定
S2 = Q×1/(1/V1+1/V2)
・・・式4-3
S2:セメントスラリー吐出量(L/min)
Q:1m当たりのスラリー注入量(L/m)
V1:掘進速度(m/min)
V2:引上速度(m/min)
表2-3 プラントセットの内容例
番号 | 設備名 | 機能 |
① | サイロ | 固化材を備蓄 |
② | ミキサー | 固化材と水を混合撹拌 |
③ | 荷重計 | 固化材の重量管理 |
④ | スクイズポンプ | 施工機へ固化材液を圧送 |
⑤ | 水槽 | 水を備蓄(容量1~20m3) |
⑥ | 水中ポンプ | 水をミキサーへ圧送 |
⑦ | 流量計 | 施工機へ送るセメントスラリー量を管理 |
⑧ | アジテーター | 精製されたセメントスラリーを撹拌し、品質を保持する |
※ 施工の仕様により、アジテーターを使用しない場合もある
図2-7 プラントセットの概要
配合計画<スーパー・アイ・マーク、アイ・マーク・ウォール>
本工法では、施工に先立ち、設計基準強度を確保するための配合計画を行う。設計基準強度に適した配合計画の設定方法は、センター指針に準拠し、表3-1に示すFcの各種設定方法から設計基準強度Fcを推定し、適切な配合計画を行う。表3-2にFcの算定式一覧表を示す。
表3-1 Fcの各種設定方法
表3-2 Fcの算定式一覧表
配合計画<アイ・マーク>
小規模構造物を対象とした本工法は、表3-5に示す各土質毎の設計基準強度および固化材配合量であれば、配合試験を省略することが出来る。配合試験を実施する場合は、配合試験結果から導きだした適切な配合量とする。
表3-5 アイ・マークにおける標準配合計画
土質 | 設計基準強度 | 固化材配合量 |
砂質土(礫質土含む) | 600~1200kN/m2 | 300kg/m2以上 |
粘性土 | 600~1000kN/m2 | 300kg/m2以上 |
ローム | 600~800kN/m2 | 350kg/m2以上 |
使用固化材・添加剤
表3-6 主な固化材例一覧
*施工実績のない固化材を使用する場合は事前に配合試験を行う
表3-7 主要な各種添加剤の一覧
※上記表に記載されている添加剤銘柄は2016年3月現在のものであり、今後銘柄変更等があった場合は、事前に用途や性能確認を行った上で使用する
表4-2 固化材配合量
表4-3 W/C(水/固化材比)の設定
品質管理
品質管理<スーパー・アイ・マーク、アイ・マーク・ウォール>
ソイルセメントコラムの品質管理には、混合撹拌の状況が良好であることを確認する撹拌状況検査と設計で要求されている強度が発現していることを確認する強度検査の2種類がある。この2種類の品質管理を充分に行うことで、本工法の品質を確保することが出来る。以下に管理内容を示す。
①未固化ソイルセメントによる撹拌状況検査
※1:試験施工とは、1本目の本 施工をいう
※2:フェノールフタレイン反応から混合撹拌が良好であることを確認する。固化不良10%以上不合格
②撹拌状況検査 全長ボーリングコア供試体による撹拌状況検査
表6-1 コア採取率判定基準
表6-2 コア採取時の確認事項
③強度検査
本工法では施工したソイルセメントコラムからボーリングコアによる供試体を採取し、一軸圧縮試験による強度検査を行う。採取頻度等はセンター指針に基づいて決定する。
④強度判定
材齢28日におけるコア供試体の一軸圧縮強度が式6-1を満足していることを確認する。合否判定はN箇所(コア採取箇所数)の一軸圧縮強さの平均値XNと合格判定値XLの大小関係を比較すること により行う。
XN≧XL=Fc+ka×σd
・・・式6-1
XN:N箇所の一軸圧縮強さの平均値(kN/m2)
XL:合格判定値(kN/m2)
Fc:設計基準強度(kN/m2)
ka:合格判定係数(表6-3参照)
σd:設計で想定したコア供試体強度の標準偏差(kN/m2)
<od = Vd × qud >
Vd:想定した強度の変動係数(粘性土0.238、砂質土0.112)
qud:想定した強度の平均一軸圧縮強さ(kN/m2)
表6-3 採取箇所数と合格判定係数ka
品質管理<小規模構造物:アイ・マーク>
本品質管理が適用出来る適用範囲は、以下に示す適用構造物、設計基準強度、固化材配合量の全てにおいて、該当するものである。適用構造物を表7-1、設計基準強度を表7-2 および固化材配合量を表7-3に示す。
①適用範囲
※1: 改良対象層は、表3-4に示す地盤例から設定する
※2: 試験施工とは、1本目の本施工をいう
※3: フェノールフタレイン反応から混合撹拌が良好であることを確認する。固化不良10%以上不合格
※4: 有機物が混入している場合は、早期材齢による強度確認を行う
※5: 深度Lの土質が頭部の土質と同様な場合、頭部のみの強度確認で良い
※6: 全長ボーリングコアを実施する場合は省略出来る
表7-1 適用構造物
表7-2 設計基準強度
表7-3 固化材配合量
qub28=qub7×1.2
qub28:モールド供試体の材齢28日の推定強度(kN/m2)
qub7:モールド供試体の材齢7日強度(kN/m2)
・・・式7-1
Xn = 0.8×qub28
Xn:推定コア供試体強度(kN/m2)
qub28:モールド供試体の材齢28日の推定強度(kN/m2)
・・・式7-2
Xn ≧ XL = Fc + ka × σd
Xn:推定コア供試体強度(kN/m2)
XL:合格判定値(kN/m2)
Fc:設計基準強度(kN/m2)
ka:合格判定係数
σd:設計で想定したコア供試体強度の標準偏差(kN/m2) <od = Vd Squd>
Vd:想定した強度の変動係数
qud:想定した強度の平均一軸圧縮強さ(kN/m2)
・・・式7-3
qub28 = 1.5qu3(固化材 メーカーの実績より)
qub28:モールド供試体の材齢28日の推定強度(kN/m2)
qub3:モールド供試体の材齢3日強度(kN/mm2)
・・・式7-4
qub28 = 1.2 quk1
・・・式7-5
qub28 = 1.0auk2
・・・式7-6
qub28 = 0.9 quk3
qub28:モールド供試体の材齢28日の推定強度(kN/m2)
quk1:50度にて促進養生したモールド供試体の材齢1日強度(kN/m2)
quk2:50度にて促進養生したモールド供試体の材齢2日強度(kN/m2)
quk3:50度にて促進養生したモールド供試体の材齢3日強度(k/m2)
・・・式7-7