「アイ・マーク工法Ⅱ」「スーパー・アイ・マーク工法Ⅱ」の特徴
地盤の生い立ちや性状を把握せずに住宅やビルを建てると、思わぬ沈下や陥没を招き 建物が傾いたり、ひび割れたりと言うことになりかねません。建物施工にあたっては、 正確な地盤把握と対策は不可欠なものです。
「トラバース」は、独自の開発技術を用いて、柱状地盤改良工法、表層地盤改良工法など、状 況に応じた工法で地盤改良を行って参りました。そしてこの度、皆様にご愛顧頂きました、 (財)日本建築センター技術審査証明「 アイ・マーク工法」にさらなる改良を加え、「アイ・ マーク工法II」を開発し、施工能力の革新的な向上と経済的な施工が実現されました。ま た、小規模住宅向けの「アイ・マーク工法II」に加え、「スーパー・アイ・マーク工法II」を開発 し、小規模住宅以外の需要へも対応可能となりました。
杭状柱体で安心を築く 「アイ・マーク工法II」、「スーパー・アイ・マーク工法II」
建築基礎
土木基礎
「アイ・マーク工法Ⅱ」の特徴
小規模建築向けφ400~1000mm
(株)トラバース式・パッセン21(自動軽量ミニプラント)により狭小現場においても、確実な施工が可能です。
- ロードセルの採用により水と固化材を自動的に計量。
- スラリー管理は、デジタル表示板や計測装置管理で高品質なコラムを作成。
- 施工重機は、小型(6トンクラス)~中型(10トンクラス)を使用し、狭小地に対応。
- 羽根切り回転数管理及び、掘削攪拌翼採用により、充分な撹拌が可能。
- 各種土壌に適合した固化材を使用することにより多様な土質に対応。
- 近隣に及ぼす騒音・振動の心配が、ほとんどありません。
施工事例
出来型確認
「スーパー・アイ・マーク工法Ⅱ」の特徴
一般建築物向けφ400~1000mm
従来工法である、「アイ・マーク工法」の技術を踏襲し、更なる開発を加えました。小規模建築物用管理規定追加。
- 新開発「共回り防止枠」採用により羽根切り回転特性を向上させ、V型撹拌を 可能にしました。
- 業界初、全長ソイル採取による施工直後のソイル品質管理が可能。
- ソイル径は、φ400~1000mmとなり、幅広い需要に対応が可能。
- 「アイ・マーク工法」と同様に、施工重機はコンパクト。(6~15tクラス)
- 近隣に及ぼす騒音・振動の心配がほとんどありません。
- 小規模建築物を対象とした実績のある地盤において、設計基準強度 Fc=600~900kN/㎡の範囲であれば、固化材添加量350kg/㎡とすることで 配合試験は省略できます。
施工事例
出来型確認
試掘作業に使用する設備の仕様
「アイ・マーク工法II」・「スーパー・アイ・マーク工法II」 では、本施工前に現地盤に試掘を行う。
試掘作業では、土質及びpHの確認を行い、ソイルセメントコラムの設計時に設定した地盤条件と相違がないか確認する。右図に試掘ロッドの詳細を示す。
pH測定器は土壌酸度計を使用する。
試掘用特殊ロッドで、改良部のpH測定 土を1m毎に採取し、土質の確認 と支持層の深さの確認を施工前に実施します。
試掘状況
pH測定
小規模住宅向け航状地盤補強
アイ・マーク工法Ⅱ
★小規模建築物の適用範囲 地上階:3階以下・建物高さ:13m以下・ 軒高:9m以下・延べ面積:500m2以下・ 擁壁高さ:5m以下
旧アイ・マーク工法では、ソイルセメントコラム築造の施工サイクルを掘進・撹拌+撹拌の計2サイクルを採用していたが、アイ・マーク工法Ⅱでは、掘進・撹拌の1サイクルを採用した施工で、強度・形状共に均質なソイルセメントコラムが築造できることが確認できたために、1サイクルを採用しています。
掘削撹拌翼
従来の撹拌翼より翼を増やし、羽根切り回転数を増加。
撹拌翼の詳細
旧アイ・マーク工法の撹拌翼は4枚としていたが、アイ・マーク工法Ⅱでは、1回転当たりの羽根切り枚数を増加させる為に、6枚 撹拌翼を増加しました。
施工サイクル
撹拌羽寸法表
寸法位置 | a | b | c | d | e | f | g | h |
コラム径 | ||||||||
1000 | 1000 | 500 | 20 | 500 | 80 | 640 | 70 | 235 |
800 | 800 | 400 | 20 | 500 | 80 | 640 | 70 | 235 |
700 | 700 | 350 | 20 | 500 | 80 | 640 | 70 | 235 |
600 | 600 | 300 | 20 | 470 | 70 | 590 | 60 | 235 |
500 | 500 | 250 | 20 | 470 | 70 | 590 | 60 | 235 |
400 | 400 | 200 | 20 | 470 | 70 | 590 | 60 | 235 |
プラントセット
独自に開発したプランセットにより、狭小現場でも確実な施工が可能。
トラバース独自の画期的な移動サイロ「パッセン21」(自動計量ミニプラント)を用い、狭い工場現場や交通事情の悪い現場でも工場が可能です。土壌に適したミルク量を計算し、高速回転で撹拌することにより、砂質、粘土質などあらゆる地盤に対応できます。また、杭打工法に比べて低コストで、近隣への騒音、振動の心配もほとんどありません。
プラントセットの仕様例
プランセットの内容
番号 | 設備名 | 機能 |
① | サイロ | 固化材を備蓄(容量0.8m3) |
② | ミキサー | 固化材と水を混合撹拌(容量8000ℓ) |
③ | ロードセル(計量器) | 固化材液及び水の重量表示 |
④ | 圧送ポンプ | 施工機へ固化材液を圧送 |
⑤ | 水槽 | 水を備蓄(容量3m3) |
⑥ | 水中ポンプ | 水をミキサーへ圧送 |
⑦ | ゼネレーター | 電源供給用 |
⑧ | 固化材液量表示板 | 精製された固化材液の重量を表示 |
⑨ | 横スクリュー | 固化材をサイロからミキサーへ送る |
施工方法
羽根切り回数、撹拌速度の規定により均一な混合撹拌が出来る。
最低羽根切り回数は、粘性土600回・砂質土500回とし、施工中のオーガー回転速度、掘進・引上速度は最低羽根切り回数を確保できる値に調整する。
品質管理
未固化ソイルセメントコラムの採取
アイ・マーク工法Ⅱでは、コラム施工後に、まだ固まらないソイルセメントを任意の深度により採取し、フェノールフタレイン反応及び目視によって、ソイルセメントの混合状態を確認する。
★擁壁高さが2mを超え5m以下の場合には、「改訂版 建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針」((財)日本建築センター)に基づき、コアボーリングによる品質管理とします。
一般建築・土木・小規模建築物向け柱状地盤改良
スーパー・アイ・マークエ法Ⅱ
★小規模建築物の適用範囲 地上階:3階以下・建物高さ:13m以下・ 軒高:9m以下・延べ面積:500㎡以下・ 擁壁高さ:2m以下
従来の小規模建築物向けの制限があったアイ・マーク工法を需要の多い一般向けの建築・土木用に新たに開発した柱状改良工法です。小規模建築物にも採用できるようになりました。
掘削撹拌翼
羽根切り回転特性を向上させV型撹拌を可能にしました。
コラム径φ400~1000までの良質な混合撹拌を実現する 為に、共回り防止枠を使用した高性能な撹拌翼です。
掘削・撹拌翼の詳細
プラント セット
固化材液の吐出・混練り能力を可能な限り大きくした大型ポンプ・アジテーター・サイロを使用。
スーパー・アイ・マーク工法Ⅱ用、大口径ソイル施工に適したアジテーター大型ポンプを採用する事により、施工速度を確保しました。
プラントセットの仕様例
★小規模建築物ではアジテーターを用いない場合もあります。
プラント状況
施工重機(6~15tクラス)
プランセットの内容
番号 | 設備名 | 機能 |
① | サイロ | 固化材を備蓄 |
② | ミキサー | 固化材と水を混合撹拌 |
③ | 荷重計 | 固化材の重量管理 |
④ | スクイズポンプ | 施工機へ固化材液を圧送 |
⑤ | 水槽 | 水を備蓄(容量3~20m3) |
⑥ | 水中ポンプ | 水をミキサーへ圧送 |
⑦ | 流量計 | 施工機へ送るミルク量を管理 |
⑧ | アジテーター | アジテーター 精製された固化材液を撹拌し、品質を保持する |
施工方法
アイ・マーク工法Ⅱ同様のV型施工。
羽根枚数を多くして(8枚)、一回転当たりの混合撹拌能力を重視した翼構造により、V型施工で充分な品質を確保します。最低羽根切り回数は、砂・礫500回、粘性土・ローム600回を最低値とします。
品質管理
全長コアボーリングによる品質検査と、小規模建築物用管理方法の2種類。
スーパー・アイ・マーク工法Ⅱでは、ソイルセメントコラムからボーリングコアにより供試体を採取し、供試体に1軸圧縮強度試験を行い、ソイルセメントコラムの強度確認を行います。
標準品質検査
施工したソイルセメントコラムからボーリングコアにより供試体を採取し、供試体に1軸圧縮強度試験を行い、ソイルセメントコラムの強度確認を行う。施工後のソイルセメントコラムより採取する1軸圧縮試験の供試体の採取頻度は、(財)日本建築センター「建築物のための改良地盤の設計及び品質管理指針、平成14年11月」に基づいて決定します。(100コラムに1箇所かつ1検査対象群に1箇所以上)
全長コアボーリング例
未固化ソイルセメント採取器例
小規模建築物における品質管理
小規模建築物における品質管理は、コラム施工後に、未固化ソイルセメントを採取器により任意の深度から採取し、フェノールフタレイン反応及び目視によって、ソイルセメントの混合状態を確認する。採取箇所数は、コラム50本あたり一カ所又は、施工日一日毎に一カ所として設定します。(採取は採取深度表に従って設定)
採取深度表
施工機械の施工条件
「アイ・マーク工法Ⅱ」では、施工機械を3種類に分別し、現地盤土性・施工規模・施工数量・施工機械搬出入路等の現場条件を考慮して施工機械を選定する。下表に各施工機毎の施工条件・基本機種を示す。下表を用いて、施工条件に最も適合する機械を選定する。
アイ・マーク 工法Ⅱ
小規模住宅の狭小敷地や地盤特性に合わせて様々な 適応機種を選択可能。
施工機械の施工目安 表-1
条件 | 施工可能 コラム径 (mm) |
施工可能 コラム長 (m) |
施工 最小幅 (mm) |
機種 | |||
Type-I | 400~1000 | 8.0以下 | 2415 |
Type-Ⅱ | 400~800 | 5.0以下 | 1880 |
Type-Ⅲ | 400~800 | 6.0以下 | 1380 |
機種 | 基本機種例 |
Type-I | DHJ-10、12【日本車輌製造(株)】 CAT 312C S15A【新キャタピラー三菱(株)】 |
Type-Ⅱ | DHJ-07.08【日本車輌製造(株)】 GT1000【(株)東亜利根ボーリング】 GI50【(株)YBM】 S-10B【(株)シロタ】 |
Type-Ⅲ | GT750【(株)東亜利根ボーリング】 GI30【(株)YBM】 S-6B(株)シロタ】 EX60-2改、45-1改【日立建機(株)】 Sk-050改、035改0355R改、027改【新興コベルコ建機(株)】 |
スーパー・アイ・マーク 工法Ⅱ
一般と比べ、比較的小型の重機で施工が可能。新開発の共回り防止枠の特性とリンクして性能を発揮。
施工機械の施工目安 表-2
条件 | 施工可能 コラム径 (mm) |
施工可能 コラム長 (m) |
施工 最小幅 (mm) |
機種 | |||
Type-I | 800~1000 | 10.0以下 | 2872 |
Type-Ⅱ | 400~1000 | 10.0以下 | 2415 |
Type-Ⅲ | 400~800 | 8.0以下 | 1380 |
機種 | 基本機種例 |
Type-I | DHJ-25【日本車輌製造(株)】 CAT 312C S-15A 【新キャタピラー三菱(株)】 |
Type-Ⅱ | DHJ-10、DHJ-12【日本車輌製造(株)】 TRS-63, 100【(株)トラバース】 GI-50CS【(株)ワイビーエム】 GT2-1000【(株)東亜利根ボーリング】 |
Type-Ⅲ | DHJ-06、DHJ-07、DHJ-08、NB-70、NB-60-2【日本車輌製造(株)】 TRS-55【(株)トラバース】 |
アイ・マーク工法Ⅱ & スーパー・アイ・マーク工法Ⅱ支持力計算例
※コラム支持力は条件によって異なります。都度、各物件毎の計算確認を行う必要があります。本計算は(財)日本建築センター指針によるものです。